日本有数の豪雪地帯のため、屋根は60度近くという急角度で組まれ、積もった雪が落ちやすくなっています。またススキで葺かれた白川郷の合掌造りでは、屋根の厚さは80センチもあり、雨を通さないようになっています。こうした合掌造りの家は高さ8~12メートルもあるのですが、もちろん木造です。



一階に囲炉裏があり、火を焚き煮炊きするときに出る煙が木材や屋根をいぶして腐りにくくし、虫食いも防いでいるのです。木造と洞窟の違いはありますが、メイマンドと同じ機能を囲炉裏が果たしています。

よく「人が住まなくなった家はすぐに朽ちてしまう」と言いますが、世界遺産でも同じです。オランダの風車も、メイマンドの洞窟住居も、日本の合掌造り集落も、数百年以上、人が住居とし日常生活を送ってきたために維持され、貴重な文化遺産が保護されてきたのです。
