トレンドにあわせ新しい服が大量に作られては廃棄されていくファッション業界。AIを使って1万通り以上の組み合わせから「売れる服」を導き出し、「売れる数」だけ作るという新たな取り組みが始まっています。

■会員数10万人以上!AIとスタイリストが提案する人気サービス


女性の自宅に届いた1つの箱。中にはブラウスやジャケットなど8点の服が入っています。利用しているのは、個人の好みに合わせた服を提案する「DROBE(ドローブ)」のサービスです。

体型やファッションの好みなど70項目のアンケートに答えると、200以上のブランドの中からAIとスタイリストが選んだ服が届きます(スタイリング料 1回3190円)。早速、試着してみると…

サービスを利用する女性
「会社に着ていくのに、ちょうどいい感じだと思います。色的にも形的にも」

試着後に専用サイトからデザインや着心地などの評価を登録。気に入った服は購入し、要らない服は返却できる仕組みです。



サービスを利用する女性
「店を回って服を探す時間とかが全て節約できるので、圧倒的に便利です」

働く女性を中心に利用が広がっていて、会員数は10万人以上にのぼっています。

■AIで導き出す“3か月後に売れる服” 1万通りから分析

このサービスを手掛ける会社が新たに挑んでいるのが、AIを使った“売れる服”の開発。
会員10万人の購入履歴や、フィードバックされた商品評価のデータを蓄積し、それをもとにAIが“3か月後に売れる服”を予測する仕組みです。

例えばブラウスを作る場合…
素材はポリエステルで、首元はVネック、長袖で、フレア型のシルエットにすれば、AIはよく売れることを示す「100」というスコアを算出します。

しかし、素材や袖は同じでも、丸首にしたり、タイトなデザインにするとスコアは「60」に。素材や、首元のデザイン、袖、丈など1万通り以上の組み合わせをAIが分析し、スコアの高い組み合わせの服を作るのだといいます。



DROBE AI開発の責任者
「5000件のデータが上がってきたので分析しました」

実際に開発中のブラウスについてAIで分析すると…
首元はスタンドカラーで、長袖、「通勤に使える」といった特徴の服が売れる傾向にあることが示されました。

商品開発の責任者 
「(人気なのは)丸首とかかなと思っていたけど…」



デザインが決まったら、サイズや色のほか、価格もAIで分析。着心地など、AIで分析しきれないところは人の手で確認し「売れる服」を導き出します。

DROBE 山敷守CEO
「企画を考えてみると、どれも売れそうに見えてしまう。ただ、それをAIで出してみると、売れ行きの傾向に関して10倍以上の開きがあったりしますので。色付けしてくれるのはAIの力かなと思います」

服ができたら生産数をAIが分析。“売れる服”を“売れる分”だけ作ることで、売れ残りゼロを目指しているのです。