■2日で1万基をコンプリート「市民の力は偉大」

では、集まったデータはどうするのだろうか。

鈴木さん
「どのマンホールが更新や工事が必要か判断するのに必要なデータとなるので、都道府県や市区町村、インフラ企業など、データを必要としている人たちに届けます」

マンホールが老朽化しているのは事実だが、何年経過したら一概にダメ、ということではなく、まずは現状を把握することが大事なのだという。段差、ひび、欠け、といった一般的なデータを集めているが、徐々にチェック項目を増やし、工事に役立つデータに仕上げて行く予定だという。

今は「データを集めることに力を入れる段階」だというが、既に静岡県三島市や石川県加賀市など、自治体とコラボしたイベントも行っている。例えば、3月に行った「マンホール聖戦in三島」というイベントには615人が参加登録をし、市内にある約1万基のマンホールがコンプリートされた。

マンホール聖戦in三島 表彰式 入賞者のうち2名は小学生
上位入賞者に市の名産品などの賞品が提供されたことも参加意欲を誘う一因にはなったようだが、参加者からは「市民として役に立ててうれしい」「街歩きでいろんな発見があって楽しい」「撮っているうちに中毒化していく」といった声があがった。当初、イベントは6日間予定されていたが、2日目にしてコンプリートされるという盛況ぶりだった。

鈴木さん
「通常の方法でデータを集めると何年もかかるような話なんですよ。そこからも、市民の力はすごく偉大だなっていうのを強く感じています」

黒い点が三島市内のマンホール 2日で全てのデータが集まった

また、イベントだけでなく、全国に約1500万基あるマンホールのうち4.4%に当たる約66万基のデータが既に集まり、全ての都道府県にゲームのプレイヤー(守り人)が存在しているのだという。