青森県内のタクシーの運賃改定について、運賃は上限(670円~)と下限(640円)は変わらず初乗りの距離が変わります。14日までは1.2キロでしたが15日からは1キロとなります。こうした中、独自の対策を講じた事業者もあります。ポイントは初乗りの距離です。

今回この初乗り1キロをさらに短縮し、初乗りの731メートル=550円と、その先の加算運賃269メートル=90円に分けました。こうすると、例えば500メートルで降りたときは初乗り下限運賃の体系では640円かかりますが、短縮した初乗りでは550円と短い距離は利用しやすくなります。1キロ乗った場合には初乗り550円に90円が加算されるため640円となりますが、細かく料金設定をして乗りやすくしていることがわかります。この制度が青森市を中心に12社が県内で初めて導入しました。

初乗り距離短縮運賃は青森市を中心とした青森交通圏の事業者13社のうち12社が導入しました。このうち青森市にある成長タクシーでは15日朝、運賃のシールを初乗り550円に貼り直しました。本来の初乗り1キロをさらに分割し、短縮した初乗り731メートルと加算運賃269メートルに分けていて通院や買い物などで気軽にタクシーを使ってもらうことを狙っています。


※成長タクシー 成田康太郎代表
「料金を上げると一時的に売り上げが上がったり効果は期待できるが、中長期で考えた場合は需要が低下することが懸念されますので、より良いサービスとかそういったものを提供することで、我々もニーズをつかんできちっとした売り上げを確保していきたい」

国土交通省によりますと、初乗り距離短縮運賃を2017年に導入した東京都のタクシー会社を調査した結果、タクシーの利用回数は6・7%増え、会社側の売り上げも3・5%伸びたということです。物価高騰が続くいま、青森市でも初乗り距離の短縮は存在感を増していく可能性を秘めています。
