西日本豪雨の被災地、愛媛県西予市では、水害の軽減につながると期待される「田んぼダム」の実証実験が行われています。

■水害が軽減!?「田んぼダム」とは

愛媛県内有数の米どころ、西予市宇和町。
田植えが始まった水田の一角に据え付けられた小さな板に、水害の軽減へ期待が寄せられています。
田んぼに据え付けられた「せき板」
西予市農林水産課 井上誠教係長
せき板を設置して、徐々に雨量が増えてきて水位が上がってきても、少しずつ水を流していきます


切れ込みの入った「せき板」を設置することで、用水路や川に流れ出す水の量を調整。
いわば田んぼをダムとして活用する取り組みです。

記者)もしこの板が無かった場合は?
西予市 井上係長)木の板の幅の分の水が、一気に流れ出す


■西日本豪雨で肱川が氾濫

4年前の西日本豪雨では、肱川が氾濫し、西予市や大洲市に大きな被害をもたらしました。
2018年7月に発生した西日本豪雨
近年、全国各地で大雨による災害が相次ぐ中、国は、堤防やダムに加えて、地域全体で水害を減らす「流域治水」の取り組みを進めています。

地元で40年以上農家を営む宇都宮悟さんは、西日本豪雨で近くの田んぼが浸水するのを目の当たりにしたことから、実証実験に協力しました。

農家 宇都宮悟さん
水が肱川へ流れ込む時間が少しでも遅くできれば、一気に水が流れていくことは無くなるのではないか


■「2センチの水」が「9400トン」の貯水量に

西予市宇和町では、20軒の農家が協力して、あわせて47ヘクタールの田んぼに500枚の「せき板」が設置されました。
仮に、全ての田んぼに2センチの水が貯えられた場合、その量は9400トンとなります。

宇都宮さん
2センチ水が貯まるだけでも相当な水量になるので、役割としては十分果たしていると思う。大きく見たら、災害の軽減に繋がるかと


愛媛県西予市の田んぼ
「せき板」は、必要に応じて取り外されるなど、稲の生育に影響が出ないよう配慮されるということです。
西予市は、今年9月まで行われる実証実験の結果を確認した上で「田んぼダム」の今後の運用を検討する方針です。