さまざまな感染症が増えています。特に今年ははしかが流行の兆し。空気感染による感染力は最強といわれ、1人が感染する人数は12人~14人。また感染するとこれまで獲得した免疫記憶が消失してしまうケースも報告されています。さらに「RSウイルス」や「ヘルパンギーナ」などの感染症が急増。大阪公立大学大学院・城戸康年教授は「新型コロナ感染爆発で抑えられていたほかの感染症が今、拡大している」と話します。

 コロナ対策の影響?子どもたちが感染して免疫を作る機会が減っている

ーー5月22日の週にRSウイルスは、前年比9.75倍、ヘルパンギーナは前年比44.3倍と非常に増えている。この状況はどのように見ていますか?

(城戸康年氏)「RSウイルス、ヘルパンギーナは通常では、2歳~5歳ぐらいまでにほぼ全員がかかるウイルス、感染症なんですね。しかしこの3年間でほとんど数がかなり少なかったんです。例えば3歳~5歳までの子どもたちは、本来今までであればほとんど感染してきて、記憶があるのに、今の子どもたちは感染していないので、記憶があんまりないんです。そういう子どもが相対的に多いので、感染機会が増えていて、そういう母数が多くなり、感染が多いという状況かと思います」

ーーこの数年、コロナ対策を徹底してきたので、ほかのウイルスに感染しなかったということですか?

(城戸康年氏)「子どもたち同士の触れ合いも極端になかったので、子どもたちが感染する機会がほとんどなかったんだと思います」

ーーインフルエンザも増えています。5月29日の週は休校や学年学級閉鎖は全国で302校ありました。ちなみに2021年、2022年の同時期の学年学級閉鎖はゼロです。インフルエンザというと冬のイメージもありますが、城戸教授は、背景をどのように考えますでしょうか?

(城戸康年氏)「2000年代後半から夏の流行も観察されていましたが、背景には世界的な人の移動が増加したことにあるのではないかと思います。もちろん短期的な意味での流行もあるのですが、確かに今年のベースが高まってるんですよね。『RSウイルス』とか『ヘルパンギーナ』が多い理由は、大人も同じなので、そういう理由に加えて、2000年代後半から世界中で人の動きがますます増加してるんですね。例えば東南アジアでも季節性インフルエンザは、1年間に2回流行が起きています。そうすると南半球は日本でいう向こうの夏はこっちの冬と逆ですから、日本の夏に南半球で流行が起きて、それが東南アジアに行き、東南アジアから含めて日本に来て、日本で流行ると、また今度季節が変わって戻るという世界的な流行が増えてるので、沖縄なんか特に夏の流行もこれまでも見られるという地球上の変化というのもあると思います」