ちっちゃい大木をつくる『鉢の上で描く大自然の物語』

簗瀬旭さん:(盆栽は)“小さな大自然”とか、よく言われるんですけど──

簗瀬さんは「 大自然の中で樹木が置かれた環境に合わせながら “育つ様子を小さな鉢の上で表現” しているのだ」と言います。例えば──

「なんでまっすぐじゃなくって、こっち側に曲がって生えたのかな。
ここに、もしかしたら大きな木があって、これをよけてこっちにいった結果、右に曲がってしまったのかな、とか」

小さな鉢 ひとつひとつに大自然の物語を詰めこんでいます。
盆栽は、サイズを抑える必要があるため、生育状況に合わせた手入れが欠かせません。

簗瀬 旭さん:
「(通常)こんなにならないんですよ。種から植えたりしたら ぴゅーって細いのが出るだけで、先っぽに葉っぱがちょろっと付いてるだけで。
この大きさにしようと思ったら、ずっとハサミを入れてあげて、上に伸びる力を止めてあげることで、ここで抑制された伸びる力がこっちに溜まって、ここからお腹から葉っぱが出てくる。
ずっとハサミを入れていくことで ボリュームがだんだん詰まっていって。

これでも5~6年ぐらい。
“ちっちゃい大木をつくる”っていうことがそういうことで」