入管に行くたびに「ウガンダに帰れ」と言われ…
この女性は3年前にアフリカ東部・ウガンダから来日した。
裁判を経て難民認定・ウガンダ人女性
「私は料理が大好きです。お母さんがよく私に教えてくれました」
女性はレズビアンであることを理由に、ウガンダで警察に拘束され拷問を受けた。ウガンダでは同性愛は犯罪とされてきた。5月には法改正され、最高刑で死刑が科されることになった。女性は来日後すぐに難民申請したが、迫害されるという女性の主張には「信憑性がない」などとして認定されず、2年前に大阪地裁に訴えを起こした。
そして2023年3月、裁判所は国に対し難民と認めるよう命じる判決を言い渡した。入管の判断から一転、「帰国すれば迫害を受けるおそれがある」と認めたのだ。
6月8日、女性に改めて話を聞くと…
村瀬健介キャスター
「日本の審査は適切だったと思いますか?」

裁判を経て難民認定・ウガンダ人女性
「今は起こったことの一部しか思い出せません。うつとストレスがひどかったので。私は日本にいられるように彼らに求めてきました。入管に行くたびに『ウガンダに帰れ』と言われました。本当に悲しかったです」
来日直後から、この女性を支援してきた人がいる。NPO団体の田中さん。ウガンダ人女性は参与員による対面審査を求めたが、入管が実施しないと決めたという。その理由は・・・
「記載された事実、その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していない」
つまり“主張が真実だったとしても難民には該当しない”というのだ。
村瀬キャスター
「受け取った申請者本人としては納得いかないですね」

RAFIQ難民との共生ネットワーク 田中惠子代表理事
「いかないですよ。だって言ったことを何も聞いてくれてないってことでしょ。事実であってもだから。事実でもダメだって言うんですよ。じゃあどんな証拠を出せばいいのか」
この日も田中さんのもとには、助けを必要とする難民申請者が次々と訪れていた。支援を受けたウガンダ人女性は裁判での勝訴を受け、今年4月、ようやく難民と認定された。
裁判を経て難民認定 ウガンダ人女性
「すごく気分がいいです。支えてくれた人たちにありがとうと言いたい」
今はアルバイトをしながら一人暮らしをしている。パスタを半分に折って鍋に入れるのがウガンダ流だ。感謝の気持ちを込めて、支援者らにパスタとカレーを振る舞った。
支援者「彼女は裁判の前は特に心配で寝られなかったんですって、夜も。それが判決で楽になって」
支援者「生活の苦しさを分かってほしいですね、お役人に。どれだけ死にそうになっているか」
田中さんは入管法改正で、保護されるべき難民が強制送還されることを危惧している。