問われる難民審査のあり方
RAFIQ難民との共生ネットワーク・田中惠子代表理事
「入管法を改正しなければいけないという最初の根拠が次々と崩れて、最後には、大阪入管の泥酔した女性医師の問題が出て、何も改善してなかったということが分かった段階で採択するっていう。私たちにアクセスしてくれた方の実感としては8割ぐらいは難民の可能性が非常に高い人です。彼らの命、重みをどのように思ってるのか。本当に不思議です」
難民の審査は今後どうあるべきなのか。
参与員の経験者が共通して問題視したのが、入管庁が行っている研修制度の在り方だ。
元難民審査参与員・弁護士 北村聡子さん
「難民条約、難民受け入れ状況についての講義というか説明ですね。これは1時間半です。あとは局長の挨拶とか入管局内の視察であるとか、入管局がやってる業務全般に関する説明といったものが占めていて、これでインタビュー(対面審査)に入ってしまえるんですね」
難民審査参与員・大学教授 鈴木江理子さん
「研修する側が入管なので、中の人たち自身がそれが習得できてるかといえば疑問です。難民の定義等については、ダンボール1箱ぐらい、いろんな物がどっさり送られてきます、資料がポンポンとこれ読んどいてっていう」
さらに入管庁が審査を担当することにも・・・
難民審査参与員・弁護士 伊藤敬史さん
「入管側が不法滞在の人を取り締まるという行政庁でありながら、難民の審査をするという。事務的なところを全て司っているところが一番大きな問題で、調整しようといくらでもできてしまうという構造があるのかなと思います」
難民審査参与員・大学教授 鈴木江理子さん
「審査が適切に行われているかということを第三者の目でチェックできるような代理人の同席、あるいは録音とか録画ということを、まず導入することによって、審査を適切なものにしていく」
難民の審査には、入管から独立した第三者機関を作るべきだと訴えた。

元難民審査参与員・弁護士 北村聡子さん
「研修を受けて最先端の難民実務に精通している方々で、構成されるようなプロフェッショナルな難民認定機関というのが存在する必要があると思います」