“送料無料”でも…実は送料はかかっている!?

山本恵里伽キャスター:
“送料無料”というこの表示。インターネット通販などでは当たり前のように見かけるようになりましたよね。ただこの表示がなくなるかもしれません。政府は物流の「2024年問題」解消のための対策をまとめました。その一つが“送料無料”表示の見直しです。
小川彩佳キャスター:
“送料無料”という表示はとても魅力的で、少額の買い物でも気軽にポチっとクリックしてしまいますよね。
山本キャスター:
お得感がどうしても出てしまう。それが当たり前のようになってきてしまっている。
ただ、この“送料無料”という表示ではありますが、送料は実際にはかかっているということなんです。

物流業界に詳しい立教大学経済学部 首藤若菜 教授によりますと…
▼商品価格に上乗せ
▼出品業者が負担している
ケースがあるということです。
さらには立場の弱い運送業者がコストに見合った運送費をもらえないといったしわ寄せを受けるケースもあるそうです。

送料無料表示の見直しについて首藤教授は「消費者に物流や運送にコストがかかっていることを意識してもらい、対価を適切に払ってもらう狙いがある」と話しています。
小川キャスター:
“送料無料”と言ってもどこかに送料がかかっているわけですね。
データサイエンティスト 宮田裕章 慶応大学医学部教授:
“送料無料”表示の改善ということなんですが、重要なのはその結果、物流が持続可能なものになっていくかということです。
今の構造は、無料という謳い文句によって消費者の欲望を引き出しているが、そのしわ寄せが立場の弱い配送業者に行ってしまっている。これがもう立ち行かなくなるというところまで来ている。全体を改善しなくてはいけない。“送料無料”一つをいじるだけで本当に改善するのか、ということも含めて見ていく必要があります。
もう一つはやはり我々ですね。ネット通販のキャパをもし超えているのであれば、すぐに必要でないものは自分で買いに行く。
そして何よりも大事なのは再配達です。再配達のコストそのものが物流全体に高負荷をかけているので、これを改善できるかという取り組みも必要なのかなと思います。
小川キャスター:
私達も意識を変えていかなければなりません。