女性労働力の“M字カーブ”は解消傾向 理由は『法整備』と「人手不足」
【平】そんな中、県内に眠っている労働力があるのではないかと『女性の労働力』に着目してみました。
女性の労働力を年代別に見た場合、30歳前後は結婚や出産・育児などを機に、働く女性の割合が低下するため、グラフがアルファベットの''M''に見えます。これを「M字カーブ」と呼んでいます。

1985年の国勢調査「長崎県の女性の労働力率の推移」では、30代で女性の労働力率が低下し、グラフはアルファベットの “M” を描いています。
しかし2020年以降は、そのM字カーブが解消されつつあります。

2020年の国勢調査で県内女性の労働力率は
30~34歳では81.0%(+4.1ポイント ※2015年比)
35~39歳では82.2%(+5.3ポイント ※2015年比)となり、
30歳代の女性の労働力率が上昇していることがわかります。
法の整備が進められたことも大きな要因ですが、それ以外にもM字カーブ解消の要因があります。

長崎労働局雇用環境・均等室 橋本 浩紀室長補佐:
「“人口流出”によって働く人の数が減少してきたこと、これは否めない事実だと思います。
これによって企業も働く人を求めるわけで、やっぱり環境を整えるわけですね。
働きやすい環境を整える。女性も働きやすい環境、ニーズに応えて。女性の就業率が上がってきたということが結果として言えるんだと思います」
【平】県外への人口流出のため、県内企業が人手不足となる中、企業側が''女性が働く''環境を整えたことによって、企業側と働きたい女性のニーズと合致し、M字カーブが解消してきているということです。
職場の理解が進んでいる?妊娠・子育て中の女性の感想は?
では、長崎で働く女性は出産後の職場環境について、どのように感じているのでしょうか?
現在妊娠中 出産後に就職予定:
「“社員同士の会話”とか“声かけ”とかが、しっかりできている会社がいいなと思います」

2人の子どもを育児中:
「(育児と仕事の両立を)なんとか頑張ってます。まだ子どもが小さいので、風邪ひいて急にお迎えに行かないといけない時は、どうしても母親の方が動かないといけないことが多くて、職場に協力してもらっているので、できることをできる限りやっている感じです」

3人目を妊娠中 看護師:
「(職場は)受け入れてくれてます。サポート体制はすごく良く、周りもお母さんが多いので、助けてくれているのでありがたいですけど、やっぱりコロナ禍で人も減っているので、なかなか時間通りに帰れないから、自分だけ“先に帰ります”とも言いづらいじゃないですか、どこも」