9709人。これは去年、福島県内で生まれた子どもの数で、おととしよりも940人少なく、初めて1万人を下回りました。少子化に歯止めがかからない状況が続いています。

背景の一つに「晩婚化」があると言われています。
こうした中、増え続けているのが、不妊治療を受けるカップルです。実に4組に1組が、検査や治療を受けているというデータもあります。ただ、不妊治療について、周囲の理解はなかなか進んでいません。いまの社会に必要なことは何なのか。治療を経験した人の声をもとに考えます。
「金銭的にも精神的にも身体的にも…」経験者感じた負担
福島県いわき市の橘あすかさん(42)。2歳の燈(あかし)くんと、7か月の陽(あさひ)くん2人の母です。

橘さんは、不妊治療を経て、2人の子どもを授かりました。
橘あすかさん「子ども欲しいなって思ったところ、自分の体の中で卵管癒着とか、もしかしたら不妊のリスクになるところが結構見つかったので、急いで不妊治療をした」
検査も含め、4組に1組が受けているとされる不妊治療。最も大きな課題は、費用面での負担です。
橘さん「10万~20万円代の高額な請求がちょっとずつちょっとずつ来るので、金銭的にも精神的にも身体的にもじんわり、ズシッズシッと来る感じ」
一言に不妊治療といっても、いくつかの種類があり、高度な治療になれば、費用もかさみます。

このうち、体外受精にかかる費用は、1回あたり50万円とも言われています。
