プロジェクトは上々のスタート
(鳥羽貴雅さん)「掘り当てるためというか掘り当たっているのかなと思っている」
プロジェクトでは公民館や事業所など市内49か所に廃食油の回収所を設置。2か月弱で510リットルが集まりました。これは去年1年間で家庭から回収した量を上回ります。
(大分銀行 国東支店・道頭孝憲支店長)「すぐ市民の方が廃食油を入れていたのでこれから徐々に浸透すると回収量が増えるかな。ここをきっかけにまずは大分県内国内・世界に広がるきかっけに協力できれば」
高騰する廃食油 わずか1年で2.5倍以上に値上がり
廃食油は世界的な需要拡大で高騰しています。国内の取引価格はおととし9月を境に急上昇。SAFと呼ばれる持続可能な航空燃料の原料として注目されたこともあり、わずか1年で2.5倍以上に値上がりしました。

(全国油脂事業協同組合連合会・塩見正人事務局長)「もうしばらく廃食油の高騰で混乱は続くのではないか。今、燃料の廃食油がないわけですよね。ならば家庭から効率的に油を集めて地産地消で使っていくのはまさしく理想形」
国東市内で回収された油は地元でバイオマス燃料に生まれ変わります。
廃棄物処理業の「くにさきエコシステム」。2001年から回収した廃食油でバイオマスディーゼル燃料を生産しています。
(くにさきエコシステム・西田正孝社長)「水洗いで不純物を取り除いていたけど新しい設備は蒸留して不純物を取り除く」
最新設備導入で純度が90%から99.8%以上に向上
6月上旬には県内初の最新設備を導入し、燃料の純度が90%から99.8%以上に向上。1リットルあたり二酸化炭素2キロを削減できます。

(くにさきエコシステム・西田正孝社長)「よく見ると透明度も違います。高純度だとかなり品質保証ができるかな」

(田辺記者)「匂いを嗅ぎ分けていますが、これまでのものは天ぷら油のような匂いがしますが、(高純度の)新しい燃料はまろやかで薄い感じがします」
国の検査合格で市所有の重機やバスの燃料として供給
会社のトラックには精製した燃料を試験的に給油していますが、エンジンや走行にトラブルはありません。さらに、国の品質検査に合格すれば、市が所有する重機やバスの燃料として供給される予定です。
(国東市環境衛生課・鳥羽貴雅さん)「行政と市民と事業者が一体となって実際に使う用途を増やしていきながら、地球温暖化防止を実感してもらえれば広がっていくのかな」
家庭ごみから地域の燃料を生み出すプロジェクト。将来の可能性を秘めたまさに「地産地消エネルギーのまちづくり」と言えます。