建物・廃材・場所 使われなくなったモノや場所に新たな価値を見出す
かつて「瀬戸内海有数の貿易拠点」として栄えた港町・倉敷市の玉島地区で、「クリエイティブリユース」という取り組み行われています。昔からあるモノや使われなくなったモノに新しい活用方法を見出す…「リサイクル」とも「リユース」とも違う、楽しみながらできる取り組みを覗いてみました。
(訪れた人)「美術っぽい感じ。見るだけでも楽しい」

展示されているのは、約500種類の廃材を分類・整理したもの。その名もMaterial Library(マテリアル・ライブラリー)です。廃材の多くは、地域の人や企業から譲り受けました。

(大月ヒロ子さん)「なんかないかな~」
運営するのは、倉敷市玉島地区に住む大月ヒロ子さん。かつて美術館の学芸員などを務め、ライターとしても世界20か国以上の美術館や博物館を取材してきました。

(大月ヒロ子さん)
「これとか面白いかもしれない。シャンパンの蓋のところの針金。これだけ数があると何か『違う塊』のよう。人の想像力で、活用はいくらでもできるので、ここで探したモノをよく観察してほしい」

(大月ヒロ子さん)「こんにちは~」

大月さんが運営する施設はほかにも。まだ使えるけれど、もう使わなくなったモノをあげたり、もらったりする場所=「アゲモラ」です。衣服や雑貨をはじめ、あらゆるものが集まりました。
(アゲモラ管理人 時実月夜さん)「それぞれに値段がついていないので、『素敵だな』っていう価値を『自分が決めてね』っていう」

訪れた人は、興味深そうに眺めます。
(訪れた人)
「自分で価値を考えるので、物の価値が上がっているような気がします」
「すごくそう思うし、感動しました」

大月さんは全部で7つの施設を運営しています。

共通しているのは、両親から受け継いだ土地や建物、地域から出た廃材に新たな活用方法を見出す「クリエイティブリユース」という取り組みです。
(大月ヒロ子さん)
「『捨てられていた端材』とか『使われなくなっていた空間や土地』を、新しい切り口で使い直すようなことができればいいなと思っていた。『リサイクル』っていうのも違うし、『リユース』っていうのもちょっと違う。そこに今までとは違う楽しい使い方を考えるような」