動物たちも本能的に暑さ対策!?
動物たちは、園内で住みやすい環境に整えられているという見方もできる一方で、やはり、自分で生きていく術を身に着けています。カンガルーは、暑い時は手首をなめて体に循環させる血液を冷やしているようです。さらに地面を掘り、そのくぼみで涼しく過ごそうともするそうです。夏にはさらに穴が少し深くなるとか。腰をかけたように座るのにもちょうど良さそうですし、一石二鳥といったところでしょうか。

國本イチオシの観察ポイント!
今回初めて見たのがヒクイドリです。飛べない鳥で、足には10センチにもなる鋭い爪を持っています。ギネスに登録されている世界一危険な鳥で、喉の赤い部分が非常に目立ちますし、和名が「火食鳥」なのも納得です。この迫力は写真だけでは伝わりきらないのでぜひ、実際に間近で、まるで恐竜のような鳥を見て頂きたいです。

それから、ジェフロイクモザル。
サルは人間と近いので、これまではさほど強い魅力を感じたことはありませんでしたが、その特異な生態を知り興味が芽生えました。というのも、進化というべくか退化というべくかわかりませんが、ジェフロイクモザルは手の親指が無く、指は4本のみなのです。木にぶらぶらとぶら下がったり、食べ物は木から手繰り寄せるのみ、ということで親指を必要としない暮らしをしています。さらに、しっぽの内側には毛が生えておらず、「尾紋」と呼ぶシワが存在します。私たち人間でいう「指紋」と似た役割をもち、しっぽは、木にひっかけるような使い方をするようです。

しっぽに毛が生えているかいないかで、しっぽを使うサルかどうかがわかるというのもポイントです。ジェフロイクモザルは、レッドリストでは絶滅のおそれが非常に高い「絶滅危惧種(EN)」に指定されています。生息地が分断されていることが理由のひとつです。
子どもの頃には、ただただ楽しい場所だった動物園。大人になってから行くと、目線が変わり、新しい気づきがたくさんあり、学びの多い場所に変わっていました。
動物に関する知識もたくさん伺うことができ、ご協力いただいた東武動物公園元飼育係の佐藤勇さま、東武動物公園の下康浩さまにも感謝申し上げます。















