韓国の情報機関は国会での報告で、北朝鮮が5月31日朝に打ち上げた衛星搭載ロケットについて「ICBM=大陸間弾道ミサイルのエンジンをベースにした新型の発射体」と評価していることを明らかにしました。

韓国国会の情報委員会に出席した議員によりますと、「国家情報院」は、北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げ現場には金正恩総書記が立ち会ったとみられると説明。「チョンリマ1型」と呼ばれる衛星搭載ロケットについては、「大陸間弾道ミサイルのエンジンをベースにした新型の発射体」と評価しました。

一方、打ち上げ失敗の原因は、「無理な経路変更をしたことで技術的な問題が発生した可能性がある」と指摘。

また、韓国が5月25日に国産衛星打ち上げに成功したことに対抗するため、北朝鮮が通常20日かかる準備過程を数日に短縮したとし、新たな発射場の工事が終わっていない状況で発射に踏み切ったことも一因になったと分析しているということです。

「マンリギョン1号」と呼ぶ衛星の性能については、初歩的な偵察任務程度が可能な小型の「低軌道地球観測衛星」だと判断しているとしています。

北朝鮮は早い期間内に2回目の発射を行うと表明していますが、時期をめぐり、国家情報院は「エンジン異常を補完するには数週間以上かかるとみられる」としながらも、「欠陥が軽微な場合は早期の打ち上げの可能性も排除できない」と指摘したということです。