総理秘書官を更迭されることになった岸田翔太郎氏。岸田総理は当初、更迭について明言していませんでしたが一転、更迭に踏み切ったのはなぜだったのでしょうか。
退職金やボーナスは「返納する」としている翔太郎氏。公邸には親族として引き続き住むということです。
「退職金・ボーナスは返納」翔太郎氏一転“更迭”のワケ
立憲民主党 田島麻衣子 参院議員
「(翔太郎氏の交代は)更迭であると理解してよろしいですか?」

岸田総理
「更迭かどうかという質問ですが、別に言葉の遊びをするつもりはありません。けじめをつけるために交代させる、このように申し上げております」
長男・翔太郎氏が総理秘書官を辞任する事態に発展した総理公邸での不適切な行為。

去年の年末に、親戚らと忘年会を開いた際の“組閣ごっこ”写真などを週刊文春が報じ、岸田総理は29日に、6月1日付けで秘書官を交代させると表明しました。
男性
「給料をもらっていたのは国民の税金、許しがたいことだと思う」
国会では、辞任する「6月1日」という日付をめぐって、野党から…
立憲民主党 田島麻衣子 参院議員
「6月1日に辞職ということなんですが、これは日割りにならず、給与、住居手当、通勤手当、期末手当(ボーナス)、退職手当等が満額支払われる」
去年10月に就任した翔太郎氏の給与や退職金、ボーナスの金額を内閣官房の担当者に問い合わせると…
内閣官房の担当者
「個人情報なのでお答えできません」
岸田総理は、これらの支給について…

岸田総理
「退職金、あるいはいわゆるボーナス等について辞退、あるいは返納する旨、本人の意思を確認してます」
翔太郎氏は、“親族として”今後も公邸に住むことがわかりました。
一方、問題が発覚した当初は、「厳しく注意をした」として更迭を明言していなかった岸田総理。
一転、更迭に踏み切った背景には何が…
自民党幹部
「支持率に影響したと考えているんでしょう。党内からもいろんな声があったみたいよ」

5月19日から21日まで広島で行われたG7サミット。各国首脳が原爆資料館を訪問するなど、大きく注目され、支持率上昇への期待があったといいます。
しかし、蓋を開けてみると共同通信の世論調査では支持率47.0%と、前回の調査に比べわずか0.4ポイントの増加にとどまっていました。
G7サミットによる追い風を、翔太郎氏の問題が打ち消す形となっていたのです。
立憲民主党 安住淳 国対委員長
「政治はもとより国民の意識や声に敏感でなきゃいけないと。やっぱり鈍感になっているから、長男の更迭は遅れたんではないかと思ってます」
野党側は批判を強める一方、今回の更迭によって“岸田総理が解散総選挙に向けた環境作りを行っている”などと警戒する声も出ています。