由起子さんは当時、和菓子の道に進みたいと考えていましたが、提案を受け、およそ2年間、妻はおもてなしを、夫は料理を学ぶ夫婦そろって厳しい修行を経験しました。


■町田夫妻
「辛かったですよ(笑)。この2人は本気なんだと力を貸してくれて応援してくれるようになって一緒に修行したのはいい時間だったと思う。あの時間がなかったら紡ぎオープンは遅れていたのかなと思う」

金沢の修行で、地ものの食材にこだわる姿勢を学んだという町田さん。

休みの日には、旬の野菜の味わいや生産者の思いを知りたいと、収穫作業の手伝いに出向きます。

この日訪れたのは、長野市中条で100種類以上の無農薬野菜を育てる久保田清隆(くぼたきよたか)さんの畑です。


■久保田清隆さん
「野菜を生でかじってもそんなに分かるわけではなくて、それを美味しい料理にして伝えてくれて女将が絶品のおもてなしをしてくれる。それで初めて人って響いてくる。だからありがたい」

夢だった店を夫婦でオープンしてから1年余り。

観光客をもてなす店を目指してきましたが、今では地元の人の来店も増えてきたといいます。


■町田哲也大将
「信州のそばを軸にした料理でこれからずっと全てのお客様に信州の良いところを伝えていければいいなと思っている」

信州の魅力を存分に味わう「そば懐石文化を広めていきたい」夫婦の奮闘は続きます。