「難民認定されるのも針の穴を通すみたい」難民フェス主催者が語る苦労

支援者をめぐる梅村議員の発言に非難が相次いでいた頃、ある支援団体がイベントを開催した。

「難民・移民フェス」。在留資格を失い仮放免となっている人たちがボランティアとして参加するという。

フェス開始の2時間前。たくさんの料理を持って現れたのはクラウディオ・ペニャさん。出身地、南米チリで迫害されたと訴え、27年前、日本にやってきた。

料理人として働いていたが、保証人がいなくなり在留資格を失った。2度の難民申請も認められず、支援者に頼る生活が続いている。

在留資格を失ったクラウディオ・ペニャさん
「ホントに仕事がしたい。僕の仕事はシェフです」

ペニャさんは、国際コンテストで優勝経験もある。

この日、腕をふるってたくさんのチリ料理を提供した。フェスの実行委員会はこれを販売し、運営費や支援金を捻出する。

膳場貴子キャスター
「すごいたくさん(料理を)作られましたね」

在留資格を失ったペニャさん
「今回すごく頑張りました。あんまり寝てない。でも嬉しい。だってこれ仕事みたい。私は今仕事できないから。すごく嬉しい」

仕事を禁じられ、社会との繋がりを絶たれている仮放免の人たち。フェスの目的は、そうした人たちに交流の場を提供することだ。それが彼らの生きがいにつながり、彼らの置かれた状況を知ってもらう機会にもなるからだ。

フェスの間、仮放免の人たちの顔が分かる映像は一切撮影できない。実行委員や支援者たちは、なにより仮放免の人たちが安心できる環境作りを優先している。

このフェスは支援者のためでもあると、主催者のひとり、金井真紀さんは言う。

難民・移民フェス実行委員会 金井真紀さん
「長く支援してきた方たちもこの場がすごい救いになったと。(支援は)先が見えないことで長く時間かかる。難民認定されるのも針の穴を通すみたい。在留資格を取るのも何年もかかる。裁判しても何年もかかる。その間ずっと支援し続けている人はどうやって気持ちを保っているのか」

入管法の改正案では、こうした支援者が罰則を科される可能性のある条項が盛り込まれた。