必ず前で勝負する岸田氏、解散の時期は

私が名付けた「前がかりの岸田」というのは、普通、人間大きな決断するときに、ちょっと先延ばしにしようかなっていうことよくありますよね。しかし岸田さんは、そういうケースのときに必ず前で勝負をしてくると。

例えば2021年に総理大臣になったときも、任期満了が近かったのですが、就任して1週間で衆議院解散に踏み切ったのですね。去年も7月8日に安倍さんが凶弾に倒れたとき、しばらくこのままの体制でいくのではと思われていたのですが、8月10日にいきなり内閣改造をやる。こういう大きな結論に対しては、先へ先へとやってくると。

その点では岸田さんは、町の政治家よりは前がかりであるというのが、パーソナリティの一つじゃないかなと思っているのです。

――では、いつ解散するかということなのですが、現在ささやかれている解散のタイミングは、今の国会が終わる会期末の6月か、あるいは内閣改造後の秋ということなんですよね。後藤さんはどちらだとお考えですか。

今の国会が終わる会期末の6月だと思います。

――そして今、安倍派という大きな派閥は100人もいるのですね。100人いながら会長がいないという状況は、岸田さんにとって非常に不安定な状況が伴うわけですね。ここで解散をやって、もう一度、永田町、とりわけ自民党の中の構造を変えていくと。

これが解散の大きな目的じゃないかと私は思いますね。

――他にも秋よりも6月がいい理由としては、長崎の4区選出の自民党の衆院議員が、G7期間中の20日に亡くなりました。その補欠選挙が10月の22日に投開票予定で、この補選後の解散となってしまうと極端に任期の短い政治家が生まれてしまう。これを避けるためにも6月なのではないかという見立てです。

そうですね、2017年に安倍総理がやはり9月に解散をしているのですが、そのときもやっぱり10月の補選を避けるというのも一つ目的であったのですね。その意味で、この前も4月に4つも衆議院選挙をやりましたから、さらにまた短い任期の人が生まれると、それならいっそのこと、大きくやろうというのがあると思いますが、この大義名分というのは、この後に多分あるのではないかと思います。