大義名分は「公職選挙法の改正」か
この大義名分の中でも一番大きなものは、公職選挙法という法律が改正されまして、ここで衆議院289の小選挙区のうち、選挙区はどうやって区分するのかという、区割りの変更があったのですね。ですからなるべく早く、法律に沿った代表を国会に送り込もうというのが、最大の大義名分ですね。
――なるほど、そういう基本的な選挙のルール、任期4年というものがあるわけですから、4年のうちに答えを出すというのが政治なんですけどもね。
やはり安倍さんがこれを壊してしまったわけですね。つまり野党の準備ができないうちに解散をやるということです。安倍さんは2012年の12月に総理になられて、2年も経たない14年の11月に解散をして12月選挙になったと。ここからですね非常に短期間の選挙を繰り返すことによって、政権を維持してきた。
この安倍さんが作った、ある種独特のルールみたいなものを変えなきゃいけないんですね。ただ、残念ながら今の岸田さんは自民党の中の第4派閥という非常に弱い派閥ですから、何とか自分の足元を強くしたいとそういう思いに駆られても、私はやむを得ないところがあるのかなと。
ただ、選挙をやるからにはですね、10増10減だけでなくて、例えば防衛費は2%にするために、こうやって財源作りますよというように、真正面から大きな政策を訴えていくのが筋なんですけども、そこがまだ見えてこないと。ただ岸田さん昨日いきなりですね、少子化問題についての財源について、増税はしませんということを明言しましたから。これもある種、解散をにらんでの発言なのかなと、いう気もしています。
――解散があるのかないのか、後藤さんによると官邸に選挙対策委員長の森山裕さんが呼ばれるかどうか、この1週間が決断のタイミングではないかというふうに見ていらっしゃいます。
(2023年5月23日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
◎後藤謙次氏(政治ジャーナリスト):元共同通信編集局長 政治部記者時代は総理官邸や自民党などを担当 政界に幅広い人脈を持つ














