提訴から10年「子どもの受けた権利侵害・損害を認定して」

 森松さんらが国と東京電力を相手に損害賠償を求める集団訴訟を起こしたのは震災から2年後。そして提訴から10年がたった今年5月24日、森松さんは自身の被害を裁判官に直接訴える本人尋問に臨みました。

 (森松明希子さん)
 「被害を訴える人がいなければ、被害の事実って絶対世の中には伝わらないので」

 森松さんは「原発事故さえなければ家族に会うためだけに1000万円以上の費用はかからなかった」と主張しました。

 (森松明希子さん)
 「母子避難をしている人は、自主という形で避難できているからいいと、(国や東電が)一切責任を取らないのはおかしい。特に子どもの受けた権利侵害・損害を裁判所はきちんと認定してほしい」

 一方、国や東京電力側は「郡山市にも多くの子どもが残っていて、自主避難する必要はなかった」などと主張しています。

 (森松明希子さん)
 「(尋問を通じて)被ばくにさらされて子どもたちをどうやって守るかというあの時の経験がよみがえってきましたし、国の責任を認めて、東電にもきちんと賠償をしていただいて、2度と同じ事故を繰り返さないというところまでいきたいと思っています」

 裁判は2024年に結審する見通しです。