現地・広島に渦巻いた「様々な感情」外国人観光客に聞いて驚いた
―――G7サミットですけども、現地・広島での評価はどんな感じでしょうか?
ここが興味深いところなんですが、例えば平和公園に集まってくる人たちは、「大統領が見たい、首脳の車列が見たい」こういった人たちは、多少の交通規制が不便であったとしても、G7を歓迎して、これが世界の平和に繋がればいい。こういった声、たくさんあるんです。
一方で、例えばバイデン大統領が会場に向かう途中の道では、「アメリカ大統領よ、原爆投下そして過去の虐殺を謝罪せよ」と、こういった横断幕を持ったデモ隊の姿があったり、広島市内で連日取材を続けていると、そもそもG7に反対するデモというのも、各所で目に入ってきます。
さらに、私が見落としていたポイントだなと思ったのが、平和公園で外国人観光客にインタビューをしていても、G7の国、もしくは招待国と直接関係のない国々の人たちは、全然興味がないです。「G7って何ですか。何で交通規制されてるんですか」とこういった声があったり。もう一歩踏み込むと、「イギリス・フランス・アメリカが来たとて、核がなくなる世の中にはならないんでしょう」と、こういった冷たい声もありました。
もちろん世界を動かしてるのは先進7カ国の首脳だけではないのは当然なんですが、その他の諸外国の目もあるし、広島を見ても、被爆者の目もある。被爆二世の目もある。若者の意見もある。様々な世論がとにかく渦巻いた、それがG7サミットが行われていた広島だというのを一日経って、改めて感じました。(2023年5月22日 MBS「よんチャンTV」より)