“核には核を”悪いサイクル断ち切れるか

山本キャスター:
核を巡る現状を見ていきます。2022年6月時点の世界の核弾頭数をみるとG7ではアメリカ、フランス、イギリスが核弾頭を保有をしているという状況です。

〈世界の核弾頭数〉2022年6月時点
ロシア 5975発
アメリカ 5425発
中国 350発
フランス 290発
イギリス 225発
パキスタン 165発
インド 160発
イスラエル 90発
北朝鮮 40発
※長崎大学 核兵器廃絶センターより

小川キャスター:
ただ、ウクライナ侵攻で核の使用をちらつかせているロシアや中国はG7の枠組みには参加していないわけですよね。この枠組みの中で議論する意味というのはどれほどあるのかと感じてしまいます。

長崎大学 核兵器廃絶研究センター 中村桂子 准教授:
そもそも私たちが忘れがちなんですが、このG7の全ての国が核兵器に依存している国でもあるというところなんですね。核保有国だけではない日本も含めて、核の傘のもとでの国であると。従って核軍縮に向けた努力というのは7か国全てにも向けられているという点は、まず押さえておきたいと思います。

ロシアや中国に対して、更なる核軍拡の口実を与えないということですね。正当性はG7側にあるということをしっかりと主張するためにも、自ら核兵器への依存度を下げていく。そして具体的な核軍縮への取り組みの姿勢を見せるということ。やはりこれは問題解決のために重要だということが言えます。

今「核には核を」「力には力を」と非常に悪いサイクルで動いてしまってるんですね。このサイクルを断ち切ることができるかというのが、この広島で問われていることではないかと思います。

小川キャスター:
そしてこうした議論に、20日に来日することになっているゼレンスキー大統領がどう影響してくるのか、ここも大変気がかりなところです。