■国会爆竹事件が私たちに問いかけるもの

51年前の国会爆竹事件。そしてウチナーグチが排除された裁判(懲役8か月、執行猶予3年の有罪判決確定)。今の沖縄のありようと私たち日本人に一体何を問いかけているのだろうか。

金平キャスター:50年前に沖青同(沖縄青年同盟)がああいう行動を起こしたことっていうのは、やって良かったと思いますか?

仲里さん:
「良かった悪かったかっていう言い方をできるかどうかわかりませんけど、あれは沖縄の青年たちの、ある意味では歴史を呼ぶ、ある意味では不可避的な行動だったと思うんですよね。偶然に行動が起こったっていうことじゃなく、沖縄の転換期における、ある沖縄の青年たちによる不可避的な行動というか。そういった意味では、良かったと言えるかもしれませんね」

「例えば沖縄に『ウチナーマンガタミー』という言葉があるんですよ。沖縄を丸ごと背負い込むとか、過剰に背負い込むっていう意味です。これは沖縄の若者たちがある行動をかりたてていく、その意識のありようみたいなのがあるわけで、つまり沖縄に過剰に掴まれるという言い方をするわけです。それが何なのかと言うと、やはり沖縄の歴史であり、沖縄の体験であるわけで」

本村紀夫さん:
「僕は日本の政府や国家権力だけじゃなくて、やっぱり日本人の中にも沖縄は植民地的な感覚があると思う。だって、何でこんなに沖縄だけに(米軍基地が)集中して、さらに『辺野古移設が唯一の解決策』って、なんで唯一なのかって誰もわからないし。今、問われるのは怒りはあるけど、怒りよりももっと沖縄人にもっとしっかりしようよっていうのが僕の今の状況ですね。地位協定でがんじがらめになってますます沖縄は何もできない状況になってるわけだから。50年経っても何も変わってないと」
残る2人の事件の当事者たち。真久田正さんはすでにこの世を去った(享年63)。

海が好きで、ヨットの仕事をしていたが、最後の最後まで「日本人に沖縄の運命を決定する権利はない」と言い続けていたという。そしてもうひとりの女性は、この当時の仲間たちと一切の関係を絶っているという。

(報道特集5月14日放送より抜粋・編集)
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