今季、開幕投手という大役を初めて務めたロッテの5年目・小島和哉(26)。開幕前、吉井監督も「これからのマリーンズを背負うという意味で頑張ってもらわなきゃいけない」と話すなど、期待を寄せる左腕だ。5回1/3を3失点で、開幕戦白星こそならなかったが、今季はここまで6試合を投げて3勝1敗。防御率1.86(17日時点)と抜群の安定感で、先発ローテーションの柱として好調のチームを支えている。
シーズン開幕からまもなく2か月。「そこまで投げすぎてもいないので身体的にもすごく元気ですし、防御率もとりあえず良い数字できているのでいい感じです」。小島からは充実ぶりが伺える。
3年目には初の二桁となる10勝(4敗)。昨季(3勝11敗、防御率3.14)は開幕から先発ローテーションを守っていたものの、初勝利は6月10日。なかなか勝ち星に恵まれなかった小島を見守っていたのは、当時ロッテのピッチングコーディネーターだった吉井理人監督(58)だった。
「去年、勝ち負けに関しては散々な数字でしたが、それでも唯一、吉井さんだけがLINEで『ナイスピッチングだったぞ』と毎週(メッセージを)くださって。『見ている人は見ているからちゃんと頑張れよ』というのはずっと言ってくださっていたので、しっかり挫けず頑張ってよかった」
去年からの変化と言えば「今年からすごく分析するようになった」こと。「自分のデータと相手バッターの打てるコース・得意コース・直近の試合なども含めて一通り目を通して、できるだけ長打の少ない球をチョイスするようにしている」。これまで以上にデータを細かくチェックするのが、試合前のルーティンになっているという。
「積み重ねが今年の成績にも生きてきている」と話すように、手応えを感じているが「1年間しっかりとちゃんとした数字を残さないといけない」と気を引き締める。
覚悟のシーズンを迎えた小島の原動力となっているのは、今季から声出しが解禁された応援だ。
「やっぱりホームの時の応援って試合で投げていても背中からすごく後押しにもなっていますし、攻撃の時もベンチで、勝手に歌っちゃったり、手を叩いて手拍子しちゃうくらい良い雰囲気を(ファンが)作ってくださる。一緒に戦っているというのがすごく強い」
好きなチャンステーマは「チャンテ4」。「ほとんど一通り応援歌は覚えている。応援のファンです」と小島。「チーム一丸となってファンとも一緒に戦っていきたい」とファンへの愛を語る。
「170イニング近く投げて防御率も2点台前半を目指して頑張りたい」と小島。先発投手陣の中心を担い、キャリアハイを目指す。