今週お伝えする「SDGs・ウィーク」。国連が定めた17つの目標のうち
今回取り上げるのは、「つくる責任、つかう責任」。私たちが口にする食材のうちのひとつ、「牛の肉」。多くの人が“良い肉”を求める中、
あえて最低ランクの牛を育て続ける牧場がありました。

宝牧舎 山地竜馬代表
「一番下、ダントツの一番下。最低ランク。オスは生まれた瞬間に殺処分」


大分県別府市の山中にある牧場「宝牧舎」。東京ドーム11個分の広大な土地で、
70頭近くの肉用の牛が育てられています。

広大な牧場を営むのは、山地竜馬さんと妻の加奈さんの2人です。

宝牧舎 山地竜馬代表
「うちの牧場は『牛の幸せを考える牧場』」


宝牧舎では4年前から使われなくなった農地や田んぼを牧場として再利用し、
牛の自然放牧を行っています。

さらに、この牧場の牛たちには、ある「特徴」があります。
宝牧舎では「廃用母牛」といわれる妊娠がしにくくなったり、高齢になったりして低い価格で取引される母牛や、生まれてすぐに殺処分される「ジャージー牛のオス」など“必要とされない牛”を引き取って育てているのです。


宝牧舎 山地竜馬代表
「酪農家っていうのは、お乳を搾って、お母さん牛からミルクを搾って、それを販売することで利益が得られる。オスはおっぱいを出せないので、生まれた瞬間に殺処分した方が農家さんにとって利益があります」

ジャージー牛は乳用牛であるため肉付きが悪く、肉用としての価値がありません。

宝牧舎 山地竜馬代表
「(うちの牛は)格付けを取ったらCの1。一番下、ダントツの一番下」

なぜ山地さんは“必要とされない牛”を引き取り、育て続けるのか…。それは過去、自身の牛が廃用になり、殺処分したことが1つのきっかけでした。