市教委の主張「聞き取り調査ができず、いじめがあったか判断できない」

 発覚から4年後の2010年。いじめを認めない理由について教育委員会の幹部が市議会でこう証言している。

 (神戸市教育委員会 指導部長※当時)
 「被害を受けたと主張されている児童の保護者の方から、子どもにもう直接話を聞かないでほしいという強い要望が学校の方にあったと聞いております。双方の児童から聞き取りが十分に行えなくなったと」
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 これを聞いていたAさんの父親は…。

 (手を挙げて話すAさんの父親)
 「すみません、委員長。被害者の父親なんですが、発言を認めていただけないしょうか。今の説明は虚偽説明です。その部分だけを1、2分で簡単に説明しますので、発言を認めていただきたいんですが」

 しかし、発言は認められなかった。取材に応じたAさんの父親は、次のように話す。

 (Aさんの父親)
 「被害者の父親が息子に話を聞かないでくれと、学校の調査を妨害したと言うてましたよね。全くそんな事実はないんですよ」

 「聞き取り調査ができず、いじめがあったか判断できない」と主張してきた教育委員会に対して、父親らは「いじめを隠ぺいしている」と訴えてきた。それにはわけがあった。