去年から始まった「半日前予測」との違いは
ところで線状降水帯の“予測”と聞くと、去年から始まった「半日前の予測」とはどう違うのか、と思われる方もいるかもしれません。
今回始まる「30分前の予測」と去年から始まっている「半日前の予測」は、情報の意味合いが異なります。

現在、気象庁は、線状降水帯の観測や予測について重点的な取り組みを進めていますが、予測精度の向上にむけては「事前予測」と「直前予測」という大きく2つの流れがあります。
「事前予測」は早めの避難につなげるのを目的に、早ければ半日前の段階で線状降水帯発生の可能性に言及する情報です。予測の精度はまだかなり低いものの、今後、徐々に精度を向上させ予想エリアをせまくしていくことを目指しています。
一方、今回の30分前予測は「直前予測」の流れにあります。災害の危険度が急激に上昇して状況が切迫していることを伝え、命を守る行動を促すことを目的としています。そのためRCCをはじめ報道機関も速報の形で伝える情報です。
気象庁は2029年には、線状降水帯を半日前には精度よく予測し、それを災害の危険度分布(キキクル)の形で発表することで避難行動につなげることを目指しています。