地域の高齢者の困りごとや要望に応えようと、高校生が一役買って出ました。

その名も「レンタル高校生」です。

上田市の上田千曲(ちくま)高校。

「高齢者福祉」を研究している3年生13人が集まりました。

ホワイトボードには、「レンタル高校生」の文字。

5つのグループに分かれて地域の高齢者の元へ出向き、困りごとやお願いごとに応えます。

■上田千曲高校生活福祉科3年杉原愛理(すぎはら・あいり)さん       「普段おばあちゃんの手伝いとかしているので、そんな感じで自然な感じで出来たらいいなと」

こちらの女子生徒4人のレンタル先は…。

出雲祐成(いずも・すけしげ)さん、大正14年生まれの御年97歳です。

出雲さんのお願いは、「道路沿いにある畑の柵を新しくしてほしい」というもの。

まずは木材を切ったり削ったりして柵の軸となる部分を作ります。

■出雲祐成さん
「のこぎりって押しては切れないけれど引いて切るの」

普段は、50坪ほどの畑を一人で管理するなどまだまだ元気な出雲さんですが、一人での作業には限界もあります。

しかし、この日は頼もしい高校生たちが助っ人に。

■出雲祐成さん
「こっち来てごらん。傾いてない?まっすぐ?もっとこっちじゃないの?まっすぐにしなきゃ笑われちゃうよ~」

レンタル高校生のおかげで、作業は1時間ほどであっという間に終了しました。

■出雲祐成さん
「助かりました、きれいに出来た。夏中かかってやろうと思っていたことが1日でできちゃえばじいさんの仕事なくなっちゃうよ」

新型コロナの影響もあり、生徒たちが地域の高齢者と実際に関わるのは初めてです。

■高校生は
「やったことがないことが多くてとても大変だったけれど、授業とは違う観点で交流できてとてもいいと思った」

一方、こちらのグループでは…。

「写真撮るのはこの白いところ、これで撮れました」             「見るのは、一回戻ってフォト。日付も出る」

教わっていたのはスマートフォンの使い方です。

84歳の女性は、4月にスマートフォンに変えたばかり。

一人暮らしのため、操作方法に困っても聞く機会があまりなかったといいます。

■84歳の女性
「前は戻れなかった、いじくっちゃって。高校生さんに教わったの」

地域の高齢者が抱える課題を見つけることも重要なテーマです。

■高校生
「高齢者が悩んでいることには一人ではできないことがあると思った」    「スマホに慣れている若い世代が使い方を広めていけたらいいのかなと思った」

生徒たちは、今後、今回感じた課題の解決に向けて対応策を考えていくということです。