付いていると“なんだか美味しそう”な魔法のフレーズ。昨今、「生=なま」がついた食品を目にする機会が多いのではないでしょうか?
さまざまな「生」を調べてみると…日本人となじみ深いものであることが分かりました。

“生”がつくと「おいしい」「高級」イメージ定着

南波雅俊キャスター:
グルメ業界はあれもこれも「生=なま」だらけ。「生」とついていると何だか美味しそうな感じもします。

「コンビニなどで商品名に"生"がつくパン」ですが、民間調査会社・インテージが調べたところ2020年は▼41件でしたが2022年には▼86件にまで増えたそうです。
インテージの市場アナリスト木地利光さんによりますと「高級食パンブームで“生”がつくと『おいしい』『高級』というイメージが定着し菓子パンなどにも“生”が普及した」ということです。

フジパンで商品名に“生”がつくパン36種類を見てみますと…食パン、クロワッサン、メロンパンにも“生”がついています。

日比麻音子キャスター:
クロワッサンをいただきました。すごくしっとり系でした。

ホラン千秋キャスター:
私はロールパンをいただきました。しっとり系でした。“生”とつくものは、生クリームを使っているものと、食感が“生”というワードからイメージされる生っぽいもの、2つの種類がありますよね。“生”とつければ付加価値がつくようなところはありますよね?

若新雄純 慶応大学特任准教授:
元々この世界にあるものは時間とともに流れていって消えるものばかりだったと思います。僕らの言葉も本当はそうですよね。でもそれだと物事が続かないから人間は保存する文明を生み出した。
だからそれだけ“生”が貴重で尊い。何でもかんでも保存できるようになったからこそ、保存できないものや、その瞬間にしか楽しめないものを高級だと思うようになったのではないでしょうか。長持ちしそうにないですよね、“生”がついていると。それがいいのではないでしょうか。

ホランキャスター:
保存できるようになったから。詩的ですね。

若新 慶応大学特任准教授:
“生”とつく商品が、賞味期限2年と書いてあったら嘘ですよね。

ホランキャスター:
その瞬間だけだからこそおいしい!

日比キャスター:
くすぐられるものはありますね。