■第10回木南道孝記念陸上競技大会・1日目(6日、大阪・ヤンマースタジアム長居)
男子100mに出場した元日本記録保持者の桐生祥秀(27、日本生命)が予選から今季最高となる10秒03(+0.7)をマークし、全体のトップで決勝に進出。決勝では世界陸上オレゴン代表の坂井隆一郎(25、大阪ガス)に敗れ10秒26(-0.3)で2位。
予選2組目6レーンで紹介されると場内から拍手が起こった。好スタートを切った桐生は、後半抜けだし、フィニッシュ。大会記録(10秒21)を大幅に更新する10秒03に、会場がどよめき、自らも両手を叩いた。
決勝は世界陸上オレゴン代表、4レーンの坂井が持ち味の低い飛び出しを見せ抜け出した。スタートで出遅れた桐生は50m過ぎから徐々にあげ坂井に迫るも、2位でフィニッシュ。坂井が10秒12で優勝した。
桐生は「この大会、1台とかを狙ってきたので、0台が出たんで本当に良かったですね。自分が諦めずにここに戻ってこられたのがよかったなと思います」とレースをふり返った。さらに「自分自身で何かレースプランを立てていったり、どこでどういう走りをしたいっていうのが着実にできているのは、やっぱり休養いただいたおかげだと思いますし、やっぱりそこで帰ってきて、“速い桐生”をはやっぱり見せたいと思う」と話した。
昨年6月の日本選手権後、休養を発表した桐生は、同9月に練習を再開する際に、国が指定する難病「潰瘍性大腸炎」を患っていることを告白した。今年3月、オーストラリアで行われた「ブリスベン・トラック・クラシック2023」で約9か月ぶりのレース復帰。4月の織田記念では国内で約10か月ぶりとなる男子100mに挑み、決勝で10秒29をマークしていた。
【桐生の今季100m】
■3月25日 10秒48(-1.0)
ブリスベン・トラック・クラシック2023
■3月31日 10秒32(+0.6)
オーストラリア選手権 予選
■4月1日 10秒52(-0.5)
オーストラリア選手権 準決勝
■4月29日 10秒29(+0.5)
織田記念 予選
■4月29日 10秒29(+0.5)
織田記念 決勝
■5月6日 10秒03(+0.7)
木南記念 予選