※津軽こけし館 鳴海房之助館長(1988年当時)
「目的は伝統工芸の維持と保存、これを核とした地域の活性化に結びつけていきたいと思います」

その後、時代が移り変わり、脚光を浴びるようになったのは創作こけしです。2010年ごろから「こけし女子」が増えていき、再びブームが沸き起こりました。なかには、大きな丸い目とふさふさのまつ毛、こんなに可愛らしい作品も登場しました。


こちらを手がけたのは、津軽系こけし工人・山谷レイさん(87)です。母親が考案したデザインをもとに山谷さんが改良を加え、現在のスタイルに到達したといいます。

※津軽系こけし工人・山谷レイさん(87)
「描いているうちに、まるを描いて、ぎょろ目にするといいかなと2~3個描いてみた。『いいね』と、お客さんが『これにしたらどうですか』と」

津軽系こけしの第一人者で工人会の会長を務める阿保六知秀(あぼ・むちひで)さん73歳です。作品は伝統と創作、いずれも制作しています。
※津軽系こけし工人会 阿保六知秀会長
「新しいものを作るときはこけし女子、ギャルの顔を思い出しながら、いざ伝統的なこけしを作るときは昭和の時代、修業した住み込み時代を思い出しながら頭の風景を変えてやっています」

もともとは伝統こけしだけを作っていた阿保さん。創作こけしに積極的に取り組むようになったのは10年ほど前のこんな体験がきっかけでした。