青森県の伝統工芸品である津軽系こけし。赤と黒の2色でシンプルながら奥深い味わいがあります。そして近年増えてきたのが創作こけしで、色も多彩、デザインもユニークです。進化するこけし、キーワードは女性の心をくすぐる「かわいい」です。

カラフルな色遣いの胴体にリンゴの帽子もかぶったこけし。こうしたかわいらしい創作こけしは今、次々と新商品が発売されています。手にするのは「こけし女子」と呼ばれる愛好者です。

※こけし女子
「自宅には20個くらいあると思います。かわいらしいものが集めたくなります。フルーツ型のこけしもあるので、カフェに行ったときに並べて撮って楽しんでいます」

伝統工芸品のこけしは、その多くが東北の山深い温泉郷で誕生しました。江戸時代後期に木材を加工していた職人が温泉客向けの土産品として作ったことが、始まりとされています。

津軽系こけしは、黒石や大鰐で生まれました。赤と黒の2色が基本ですが、それだけでも個性豊かで独特な魅力が宿っています。その売れ行きが伸び、こけしブームが沸き起こったのは高度経済成長期、土産品としてだけではなく、趣味で集める人も増えたといいます。これを追い風に、1988年には黒石市にこけしの魅力を伝える津軽こけし館もオープンしました。