プーチン氏『クレムリンにはほぼいない』なぜ狙った?


――可能性の一つ目は『ウクライナ正規軍による攻撃ではないか』ということです。過去にもドローンで越境攻撃があったのではないかとも言われています。アメリカで流出した機密文書の中に、『モスクワへの攻撃計画』というものもありました。もしかしたらウクライナの正規軍による攻撃ではないかと。しかし、ゼレンスキー大統領は当時、フィンランドにいて、会見でも否定をしています。どのようにご覧になりますか?
「真っ先にフィンランドでゼレンスキー大統領が否定をしました。もし仮にモスクワを狙ったのであれば、このドローンの攻撃によってどれだけ目標を達成できたのか。ということを考えますと、ウクライナは領土を取り戻そうと反転攻勢をしようとしていますが、あまり大きな効果はないのではないか、そういうことを考えても、ウクライナ政府軍による犯行ということに関しては難があるのではないかと感じています」

――二つ目はウクライナ国内の『義勇部隊による攻撃の可能性』です。5月1日、2日にロシア西部での列車脱線に関与した可能性も指摘をされていますがいかがでしょうか?
「 去年も思想家の娘さんが8月に道路で爆破されたテロがありました。今年3月にもサンクトペテルブルクでロシアの軍事ブロガーが爆破した事件もありました。となりますと、義勇部隊のよる犯行という可能性もあるのですが、ドローンを持っているのか、どこから発射したのかについて謎になってきます」

――共通して『謎だと』おっしゃっているのが、プーチン大統領がクレムリンにいないとわかっているのに攻撃を仕掛けたのはなぜかかという点ですが、基本的にプーチン大統領はクレムリンにはいないなということなんですね?
「特にコロナ禍以降は私邸がモスクワ近郊(ノボオガリョボ)にあるのですが、プーチン大統領は常にそこにいるとされています。ところが、ノボオガリョボ、サンクトペテルブルク、ソチ、モスクワのクレムリンの執務室とは実は、内部の密告によってわかってるんですが、同じ形の執務室を作っていて、プーチン大統領がどこにいるのかはカモフラージュしていると指摘されています。3日の日は、ノボオガリョボにいたとされています。モスクワ側の発表でそれを100%信じるのかということにもなるのですが、プーチン大統領の場所は、依然としてどこにいるのかわからないというカモフラージュの状況にあります。そして、このクレムリンにはほぼいないという指摘もあります。3日未明に狙うという目的は、ウクライナ軍、もしくは義勇軍の目的からしても、達成できないのになぜ狙ったのかそしてドローンによる2機でこの攻撃を達成できると思えないので、ここにも疑問が出てくるということです」