5月3日未明、ドローン2機がロシア・モスクワにある「クレムリン」に攻撃を仕掛けたということです。ロシア大統領府は「ウクライナのゼレンスキー政権によるテロ行為だ」と主張。一方でウクライナのゼレンスキー大統領は関与を全面的に否定しました。大和大学の佐々木正明教授は「謎が多すぎる」と話した上で、現状から分析できる『4つの可能性』について解説します。
ウクライナ軍のドローンは”マッハ級”攻撃用?偵察用?

――ロシアのクレムリンへのドローン攻撃はどのように見ていますでしょうか?
「謎が多いと感じています。5月3日にこのニュースをキャッチいたしまして、色々なシナリオを考えたんですが、どのシナリオも難点があります。それぞれの立場でそれぞれの方々が発表していますが、全て意見がぶつかるという形になっています。アメリカもよくわからないということも言ってますし、まだまだ検証が必要かなと感じています」

――まず攻撃されたクレムリンですが、一体どういうところなんでしょうか?
「アメリカで言うとホワイトハウス、日本で言うと首相官邸の施設が、クレムリンの中にあります。クレムリンは、ロシア語で『城壁』を意味するので、城壁で囲まれた場所に、大統領府があると。そしてここに歴史的建造物もあり、博物館、大きなホールもあり、モスクワの一大観光地になっていて、赤の広場が隣接しています」
――一般の人も自由に行き来できるような場所ということなんですね?
「はい、赤の広場側からは入れないんですが、違う側に入場券を取って、厳重な警備、持ち物チェックを受けて、中に入るところがあります。私も何度も入ったことがありますが、厳重な警備がされています」
――映像見ますと、大統領府の建物の上で爆発したようにも見えますが、どう見ますか?
「国立百貨店『グム』今見ている映像はそのグムの南西方向からの映像です。映像がロシア国内で既に公開されています。はい。つまり赤の広場から見ると、屋上にドームがある。ロシア国旗がありますが、そこがロシア大統領府、この上で爆発したということです」
――今のところこのドローンを操縦して攻撃したということでしょうか?。
「ウクライナ軍が使っている主力用攻撃ドローンは、時速1100キロということで、(映像で映っているものは)このマッハの物よりもかなり遅い飛行物体なんですね。つまり、攻撃用ドローンなのか、果たして偵察用のドローンなのか。そしてこのドローンの中に爆発物がどれぐらいあったのかというのも検証が必要です。爆発の映像を見ますと、それほど広がってはないですね。となりますと、大きな爆発物があったようには思えないということだと思います」














