先日発表された“春の褒章”で『黄綬褒章』に選ばれた理容師が小千谷市にいます。その技術で日本一に輝いた経歴を持つ男性は今、若手に伝えたい思いがあります。

適確なハサミさばきで髪をカットしていく阿部勇さん(72)。小千谷市と新潟市で美容室などを経営する「びんしょう」の会長で、この道50年以上のベテランです。長年にわたり業務に励んできた人に贈られる黄綬褒章に先月、選ばれました。

【阿部勇さん】
「多くのお客様に愛される業界になるように努力していきたい。黄綬褒章をいただいたものだから、なおさら“しなくちゃいけない”という使命感が出たというかね」

阿部さんがおよそ40年前につくり上げた「セットレスカット」は、その名の通りセットしなくても自然にまとまる仕上がり。トップ部分に細かくハサミを入れて短い毛をつくることで髪がふんわりと立ち上がるそうです。

祖父の代からの家業を継ぐため、高校卒業後に理容師を志した阿部さん。初めはこの仕事が好きではなかったといいます。

【阿部勇さん】
「小さいころからこの仕事を見ていたので、あまりやりたくないなというのがあったんですけど、グループの大会で40人中40位。悔しくてそこから頑張った」