「顔に出た」ことの意味は?

「顔に症状が出たら、より注意が必要」と語る静岡済生会総合病院・嶋津苗胤医師

体中に張り巡らされている神経。ここに潜むウイルスが1本の神経に沿って暴れ出す帯状疱疹。出る範囲の多くは上半身とされていますが、私のように顔に出たことには、どんな意味があるのでしょうか。

嶋津医師は「ウイルスは、ほぼすべての神経節に潜むので、そこに何らかの理由があるからとかではなく、偶然そこに出る。たまたま“選ばれてしまった”のだ」と説明。ただ、「顔に出た場合は合併症や後遺症を心配する部位でより注意を必要」だと呼びかけます。

帯状疱疹の後遺症で代表格といえるのが、帯状疱疹後神経痛です。発疹や水ぶくれなどの症状が治まったのちも続くというやっかいな後遺症です。また、顔の場合、顔面神経痛や角膜炎や結膜炎などがみられることがあり、視力低下や最悪、失明に至ることもあるのです。

嶋津医師は「腫れや水ぶくれなど、見た目の症状は一部かもしれないが、実はその一帯の神経にも障害が出ている。とにかく気になったら、迷わず受診して、しっかりと抑え込むことが大切」と訴えます。