「体を一周したら死ぬ?」ってホント?

体のいろいろな場所に出る「汎発性帯状疱疹」はまれなケースと説明する宇野医院・宇野裕和院長

私は「1週間の加療が必要」という診断書を出してもらい、仕事を休んで治療に専念。右まぶたにも少し発疹が出たものの、飲み薬で症状は改善しました。“完治”後、知人にこの話をしたところ、言われたのが「帯状疱疹って一周したら死ぬ、っていうよね」。確かにネット上にも同様の記述が散見されます。そんなこと、本当にあるのでしょうか。

宇野医師に聞いてみると「基本的には左右どちらかに出る。さすがに(一周回って死ぬことは)ないと思う」ときっぱり。「ウイルス量が多いと汎発性帯状疱疹といって、体のいろいろな場所に出ることもあるが、これは本当にまれなケース。これが“一周回る”と言われているのではないか」と冷静な対応を呼びかけます。

日本医師会などによる調査によると、2009年からの3年間で帯状疱疹の入院例は約1万8,000人だったのに対し、亡くなったのは3人。そのほとんどが基礎疾患を抱えた患者だったといいます。不確かな情報に振り回され、余計なストレスを受けていては、治るものも治らない。私が自宅療養中、スマホの電源を切っていたことは正解だったかもしれません。

帯状疱疹に“ならない”ためには

帯状疱疹にならないためには健康的に生活することが何より重要です

ほとんどの日本人の体に潜んでいるウイルスと過労、ストレスが相まって起きる帯状疱疹は、まさに“現代病”といえます。一方で、周りに帯状疱疹を発症した人が増えたり、50歳以上の帯状疱疹ワクチン接種を呼び掛けるCMを頻繁に目にしたりすることで、この病気への関心度が高まり、結果として、患者が重症化して病院に駆け込んでくるケースは少なくなったといいます。

では、帯状疱疹を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。その答えはいたってにシンプルです。

・ストレスをためない
・十分な休息や睡眠
・適度な運動
・規則正しい生活 

これらを意識することで、免疫力を低下しないようすることが大切です。3度目はもう嫌だ。自分自身にも言い聞かせたいと思います。(SBS NEWS DIG編集長 金國賢一)