真冬とともに近づく、「僕ら」の新しい命の誕生
2021年12月17日、34週の健診。札幌市内は大雪に見舞われ、街中には渋滞も発生しました。きみちゃんは車の運転を諦め、ちかさんとともに千歳市からJRと市電を乗り継ぎ、吹雪の中、病院にやってきました。

個室を見学したり、理想の出産について考える「バースプラン」を記入する紙を渡されたり、出産の日がどんどん迫っていることを実感する日でした。
赤ちゃんの誕生予定まで、およそ1か月。
「年明けには生まれるんだなって思いますよね」とわたしがつぶやくと、きみちゃんは「2人の時間も大切にしたいなって思います」と口元を緩めながら、助手席に座るちかさんの後頭部をちらっと見つめていました。

「2人」で過ごす、最後の年末年始。家族「3人」になる日を、2人も病院のスタッフたちも、少し緊張しながらも、楽しみに待っていました。
しかし、年越しを待たずに、2人は予期せぬ形で出産を迎えることになります。
(全4回の3回目/第1回、第2回、第4回、番外編(前編)を読む)
HBC報道部・泉優紀子