原動力は甲子園「青春を捧げてでも…」
原動力は、男子と同じ夢の舞台「甲子園」です。女子野球の全国大会は、年に3回開催されますが、このうち夏の大会の決勝は、おととしから甲子園で行われるようになりました。

「目指せ夢の舞台…」
その思いで県内外から集まった学法石川の女子球児たち。全員が寮に入り、共同生活を送っています。

練習は、学校に専用グラウンドがないため、車で片道30分の鮫川村へ。この日の打撃練習、選手たちは、鋭いスイングで快音を響かせます。
硬式野球のバットは重いため、多くの選手が中学生用のバットを使っていますが、なかにはこんな選手も…。
Q.一人だけ(高校)男子と同じバットを使っていると聞いたけどそうなの?
千田結愛選手「はい、そうです!」
Q.重くない?「重くない。自分的には重い方が飛ぶので、重いのを使っている」

そんなチームを率いるのは、学法石川高校野球部OBの五十嵐竜亮(りゅうすけ)監督。女子を指導するのは初めてで、試行錯誤する毎日です。
Q.大変ですね、打撃練習の外野も3人で守って?
五十嵐竜亮監督「でもこれ以上増えちゃうと、遊んじゃう子もいるので、だったら坂道ダッシュさせた方がいいかなと。なので僕もバッティングピッチャーやボール集めを手伝って、少しでも回せるようにとは思っている」

限られた時間を最大限に活用し、課題である瞬発力などを意識したトレーニングを積極的に取り入れています。
五十嵐竜亮監督「守備位置という部分でも、男子の時と女子の時では、全然違うなというのをこの前の大会で痛感したので、僕も勉強し直さないと感じている」
4月7日、学法石川高校では入学式が行われ、女子野球部には新たに2期生4人が加わりました。

学法石川は、これまで公式戦は3戦3敗。選手たちは、悲願の初勝利、そしてその先に「甲子園」という大きな目標を見据えています。
大原悠加選手「辛い練習でも楽しい仲間たちがいるから、乗り越えていけるし、みんな同じ目標に向かっていけるのが自分たちの青春だと思っているので、青春を捧げてでも、甲子園を目指していく」

【スタジオ】
高校の女子硬式野球部は、全国に50校ほどしかないため、地方大会はなく、最初から全国大会です。
そこで、課題となるのが、実践感覚をどうつかむかということですが、学法石川は、福島県内の男子中学生や、県外の高校と練習試合をするなどしてカバーしているということです。
これからの活躍も楽しみですし、もっと女子野球が広がって、切磋琢磨する環境が整えばいいですね。