元知事も… 無投票当選は「不健全」

今後、無投票当選が拡大すると、地方政治はどうなるのか…

元鳥取県知事の片山善博 氏に聞いた。

膳場貴子キャスター
「定員割れですとか、首長選でも無投票の当選があったりしますよね。この状況について危機感、危機意識ってお持ちでしょうか?」

元鳥取県知事 片山善博 氏
「地方自治っていうのは、自分たちの地域のことを自分たちで決めていく。本当ならば、非常に深い利害関係があるから、強い関心持たなきゃいけないんですけど、非常に関心が薄くなった、無関心の人が増えたということで、これは地方自治の支え手が弱くなったと、そういう意味で、すごく私は心配しています。非常に不満が多いとか、無駄遣いが多いとか、そういう地方自治になりかねないなと思いますよね」

実は、片山 氏も、鳥取県知事時代、無投票当選の経験がある。

選挙演説中に飛びこんできた当選の情報…

当選しても笑顔を見せない片山 氏。無投票当選の問題をこう語る。

元鳥取県知事 片山善博 氏
「4年に1回の選挙のときに、対抗的な立場というか、そういうのが出てきておかしくないんですよ。予算を減らされたなど、そういうところは必ず不満があるわけで。ところが、選挙になったときに、誰も立候補しないで、争点もないわけですから。不満があるのに顕在化しない。これは政治では不健全なんですよ」

片山さんは、地方議会を住民に開かれたものにすべきだと主張する。

元鳥取県知事 片山善博 氏
「住民を排除してるわけでもないけれども、近づけないような、そういう体質というものが、日本の議会運営そのものにあるような気がします。アメリカと比べてみますとね、アメリカの基礎的自治体の議会っていうのは、住民が必ず発言する機会があるんですよ。だから、すごく身近なんですよ。議会で物事が解決する。日本はそういうのがまずないんですよ。議論したのかしないのかよくわかんないんですけど、閉じこもって物事を決めていくという。住民は傍聴席でじっとして黙って傍聴しとけ、という今までのスタイルは、やっぱり変えていかなきゃいけないですよね」