23日で、知床の観光船沈没事故から1年が経ちます。シリーズでお送りしている「知床事故をめぐる今」。第3回は「国の当事者意識と責任感」です。
第1回「息子がどれだけ冷たい中で死んでいったのか…」乗客家族の今
第2回 知床遊覧船、桂田精一社長の今 沈没事故から1年 追悼式典は「呼ばれてないから行けない」
取材の交渉を続けて、まもなく1年。今月、その男性は、ようやく重い口を開きました。
事故の前年(2021年)まで「KAZUⅠ」の船長を勤めていた男性です。

元KAZUⅠ船長
「8年間(KAZUⅠと)一緒に仕事をしてきたから。僕も最初は下手っぴだったから色んなとここすったりぶつけたりして…」「人の命30人も40人も預かってんだから、最初の3年間は本当に船長なんか無理と思ってましたよ」
一方、国の船の検査については…。
元KAZUⅠ船長
「(国の)検査を受けたから安心というのは別にない、検査員の指示に従って検査を受けているだけ」
検査は、決められたことを形式的にやっている印象だった、元船長は、そう振り返りました。
KAZUⅠに乗っていたのは、乗客と乗員26人。

このうち3人は、北方領土の国後島などで見つかり、小樽に帰ってくるまで、およそ5か月を要しました。
貴田岡結衣記者リポート(去年9月・小樽港)
「午前8時です。3人の遺体を乗せた巡視船「つがる」がゆっくりと小樽港に入ってきました」