「私の働き方改革は?」1人で3つの顧問を掛け持つ教諭

安里翼教諭「一番欲しいのは男女ハンド部と郷土芸能の副顧問、この3つが埋まれば、出せるというか、決定になっていくような形です」

部活動係を務める安里教諭。新年度が始まる4月は各部活の顧問をどう配置するか、その調整に追われます。

安里教諭「係としては強制(全員顧問制)した方が楽です、確実に埋めなきゃいけない部顧問に対してそれを強制するというのは、ある意味簡単な作業なんですけども、先生方も一人間なのでいろんな生活があると思いますので、それに合わせて、選択できる喜びとかっていうのを学校側が示してくれるのは僕はいいと思います」

しかし、ある顧問一人の負担が大きくなることが懸念されていました。

ハンドボール部の顧問を務める仲村教諭です。大学までプレーしたハンドボールの経験を生かして指導にあたっています。しかし希望制が始まった昨年度、男子に加え希望者がいなかった女子の顧問も受け持つことになりました。

顧問をかけ持つ 仲村教諭「八重山地区は男女共に小中学生と盛り上がっていまして、チームも多く選手数も多いです。ただ高校に上がったときに女子はチームがなくて、唯一私が来た時にあったのが八重山商工。中学校までやってきた子たちのハンドボールをする行き場がなくなってしまうので必ず繋いでいきたいという思いがありました」

競技への情熱と部員たちへの思いで引き受けた男女ハンド部ですが、工業系の科目が専門の仲村教諭は『機械ものづくり部』の顧問も担っています。

顧問をかけ持つ 仲村教諭「働き方改革を念頭に考えた結果がこれだと思うんですが、じゃあ私たちの現状に合っているのかというと、合っていないと思っている。私が顧問を3つ持つことがいいの?働き方改革に私はなっているの?他の先生に対してはなっている、私にはならないっていうのはすごく思っていて」

さらに離島の教員は原則3年で異動することになっていて、仲村教諭は今年度、八重山商工に来て3年目を迎えます。教員の3年での異動は、離島校の安定した部活運営を妨げる要因で、さらに顧問の希望制が重なり顧問不足のリスクが大きくなっていました。

顧問の希望制は教諭の働き方を改善する理想ではあるものの、負担が増す教諭が生まれてしまう現状。こうした中、八重山商工では顧問不足を補うための、もう一つ部活動改革を行っています。

安里教諭「先生方の働き方だけ整備してしまうと生徒たちが学びたい気持ち、頑張りたい気持ちを絶やしてしまう恐れがありますので、いま県も考えている“地域移行”っていうところをミックスしながら」