長時間の残業などが大きな問題となっている教員の働き方。その大きな要因の一つが『部活動の顧問』です。多くの学校では、全ての教職員が何かしらの部活を見る“全員顧問制”を取る中、顧問を持つか持たないか、教職員それぞれが選択する『顧問の希望制』を昨年度から導入した県立高校があります。そこには部活動の改革と揺れる教員たちの思いがありました。

教諭「顧問をやらなきゃいけないって気持ちがあるので、希望しているかどうかはまた別の問題になってくるんですよね」
教諭「これちょっと考えないといけないのが、働き方改革を進めていくと教員側にプラスですよね、時間ができるという意味では、そうなってくると教員がいなくなることで子どもたちの面倒は誰が見るのかっていう問題が出てくるので」
校長「生徒にどんどん悪い環境になるよっていう…」
教諭「そうなんです、そこが疎かになるので、生徒の能力も下がっていくし、この辺はうまくなんとか考えないと」
部活動顧問の『希望制』について意見を交わす八重山商工高校の教諭たち。昨年度から始めた顧問の希望制。教職員の中ではまだ賛否は分かれる中、昨年度と今年度は、それぞれ教員4人が顧問を希望しませんでした。

この顧問の希望制を導入したのは仲山久美子校長です。
八重山商工 仲山校長「やらない、今年はできないっていう声をあげるのを、それを受け入れる、そういった組織になって部活動がそういう風にならないと、絶対つぶれてしまう先生たちが」
仲山校長は2018年には女性初の県高野連の副会長に就任。南部商業高校の校長時代は県内初の女子硬式野球部を創部するなど、これまで部活動に積極的に関わってきた経歴があります。

その仲山校長がなぜ部活動改革に着手するのか―
八重山商工 仲山校長「先生たちが元気で生徒の前に立ってほしい。教壇に立つ先生は元気でいてほしい。そのために先生たちの負担を取り除くのも進めないといけない、部活動が学校から消えてほしくない、ずっと子どもたちの成長する場所、それであってほしいので」