緊迫スーダン日本人退避へ

そんな中、心配なのがスーダンにいる日本人約60人です。退避に向けて、自衛隊機をジブチまで移動・待機することが決定されました。
浜田防衛大臣
「早ければ21日にも出発し、スーダンの状況を踏まえて、自衛隊法に基づき人員の輸送が行われる」

ただ、日本政府関係者によると「停戦してもらわないと動けない」ため、スーダン国内への自衛隊機の乗り入れには時間がかかる可能性があるといいます。
実際にドイツでは19日、現地在住のドイツ人約150人を退避させる計画がありましたが、中止となりました。トルコも現在避難させることができていない状態です。
ホラン千秋キャスター:
今の状況を、星さんはどうご覧になっているでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
これは軍と民兵組織の内戦なので、停戦と言ってもどういう形で停戦できるかという保障がないんですよね。自衛隊機が行くにしても、本当に安全なのかどうかの確認がなかなか難しい。おそらく3機がジブチで待機することになるんでしょうけど、どういうタイミングで救出に向かうのかが非常に難しいと思います。
井上貴博キャスター:
戦闘が激化して、結局どの国も退避できていません。日本は2022年に法律を改正して、このような場合に救出がしやすくなりましたけれども、やはり停戦を待たなければいけないのはかなり難しいということですよね?
星氏:
日本は海外で武力行使するわけにいきませんが、輸送はできます。ただ、なかなかそこは難しい。法律改正によって、日本大使館のスタッフやJICAの現地スタッフを救出することができるようになったのですが、そこまでこぎつけるのがちょっと大変ですよね。
井上キャスター:
2年前のアフガニスタンからの日本人救出の際、日本政府の対応はかなり遅れてしまいました。そのときの経験を踏まえて法改正をして、今回そのことは活きていると考えていいですか?
星氏:
ドイツに比べると若干遅くはなりましたが、比較的早い決断だったと思います。アフリカ地域では軍事的にはロシアが、お金という点では中国が進出しています。今度のサミットでも、今のスーダンのような国に対してどのように援助をしていくかということを議論することは必要だと思います。
ホランキャスター:
日本としては「停戦してもらわないと動けない」ということですが、どこかの国が何か突破口を作れるとしたら、誰がキーパーソンになってくるのでしょうか?
星氏:
影響力があるのはフランスなどのヨーロッパの国ですが、国連が仲介に入って停戦を実現するということも大事です。民兵組織の人たちが大統領のポストを取り合うといった政治絡みの状況もあるので、最終的には国連が入って停戦をするということも1つのアイディアだと思います。
井上キャスター:
政府関係者の話を聞いていると、18日、19日あたりで停戦するのではないかという話もあり、情報が錯綜していましたが、停戦の可能性を指摘するパイプはあるのでしょうか?
星氏:
おそらく停戦の動きが19日あたりから断片的に出ているので、もしかするとヨーロッパの国を含めて停戦の動きが出ているかもしれません。