スーダンにいる日本人を退避させるため、政府は自衛隊の派遣を決定しました。スーダンで起きている武力衝突はなぜ起きたのでしょうか?この先、ロシアも出てくるのではないかと指摘する専門家も。詳しく解説します。

なぜ?スーダンで戦闘激化

加藤シルビアキャスター:
【スーダンとはどんな国?】

▼アフリカの北東部、エジプトの南に位置する
▼面積=日本の約5倍
▼人口=約4566万人 ※2021年世界銀行より
▼主な輸出品:金や石油、ゴマなど

いったいどこが対立しているのでしょうか。

実権を握る国軍(兵力約21万~22万人)と、民兵組織「RSF:即応支援部隊」(兵力約7万人規模)が武力衝突を行っています。

2019年、両者は協力して、当時の独裁政権であったバシール大統領を失脚させたという経緯があります。

その後の民政移管において、国軍側はRSFに対して「2年以内に国軍と統合しよう」と働きかけました。しかし、RSF側は「10年かけて行うべき」と主張し、平行線が続く中で起きたのが15日の武力衝突でした。

国軍とRSFに加えて、第三者の影があるとされています。

海外メディアによると、ロシアはスーダンの金をウクライナとの戦争の戦費調達の突破口と位置づけており、「ロシアはスーダンの金を密輸しているのでは」とも指摘されています。

ロシアの外交・安全保障に詳しい笹川平和財団の畔蒜泰助主任研究員によると、「ロシア側が金の利権を守るため、有益な方に加勢する可能性もある」ということで、今後の状況はさらに不透明になってきています。