着物を着たドイツ人の男性たちが、広島で茶道…。

ハノーバーで茶道教室に通う フィリップ・ゼーガー さん
「愛情もって再建されたので、(原爆で)全てが破壊された街という印象はない。驚いた」

ハノーバーで茶道教室に通う マティアス・シンメルフェニック さん
「原爆ドームと原爆資料館は、ぜひ見てみたいです」

中根夕希 キャスター
「広島駅にやってきました。外国人ばかりが並んでいるこの行列、『めいぷる~ぷ』に乗る行列のようです」

観光客向けの周遊バスは、ご覧の通り。

ウルグアイから来た大学生グループ
― どこに行くの?
「平和公園に行きます」

― ほかに行きたいところは?
「原爆ドーム」

きょうのテーマは、『V字回復! 戻ってきた外国人観光客!』。外国人から見た広島の魅力について考えます。

広島市の縮景園を訪れたのは、ドイツ・ハノーバーで上田宗箇流の茶道教室に通う生徒です。現地で教室を開き、30年にわたって茶道を教えているのは、広島出身の 中本洋世 さん。ハノーバーと広島市が姉妹都市提携して、ことしで40年を迎えたことから「文化使節団」として11人でやってきました。

ハノーバー在住 茶道 上田宗箇流 家元正教授 中本洋世さん
「いろいろな先生方の違う方の同門のお茶を見ていただいて新しい発見や驚きをしていただきたいと思います」

この日は茶会に出席し、広島の地で400年にわたり受け継がれた上田流の伝統を本場で堪能しました。

ハノーバーで茶道教室に通う ミヒャエル・ヨーン さん
「茶室での繊細で穏やかな動き全てが、わたしの心の中に静けさを呼び起こさせてくれます」

ハノーバーで茶道教室に通う リンダ・ブッツ さん
「調和、心のハーモニーを強く感じることができた。こんな特別な経験ができるとは思っていませんでした」

今、広島で外国人観光客が急増…。その数は2019年まで増加し続けましたが、コロナ禍の入国制限などで激減。それが、ことしは一気にV字回復の兆しを見せています。

広島は全国的に見ても「欧・米・豪」から訪れる観光客が多いという特徴があります。

イギリスからの観光客
「歴史的な場所、起きたことは悲しいけれど、今も残る建物を見て感銘を受けました」

― ウクライナ侵攻も理由の1つですか?
「そうね。より現実的に感じます。今も残るつめ跡を見ると戦争とはどういうものなのか気づかされます。

ニュージーランドからの観光客
「二度と戦争は起きてほしくないと思って平和公園に来ました」

― それで広島に?
「ええ。家族で日本中を回っていて、その中で(戦争の歴史を)思い出すことが大事だと思ったので」