“きちんと育ててあげたい”「しつけ」から虐待に至ってしまった母親が当時の経験を語りました。「娘が大好きなのに虐待しかけた」マンガの作者に“共感の声”も集まっています。

分かっているのに…大好きなのに…「虐待しかけた母の実体験」

『上の子優先!? イライラ止まらず虐待しかけた話』

私・ちり(30代)、夫・くろすけ(30代)、長女・うー(当時3歳)、次女・とん(当時0歳)。“とん”が産まれてしばらく、“うー”はわたしを独占したがった。

「“うー”のことだっこして!あかちゃんおいてー」

周りから「上の子優先」という言葉をこれでもかというくらい聞いていたので、なるべく“うー”のことを優先して過ごしていた。
2か月ほど経ち、少しは落ち着いてきたかと思った時。ある強いこだわりが出てきた。

「ママが座ってトントンして」

日中たくさん我慢をしているだろうと、寝る前の「座ってトントン」を心がけた。なかなか眠らない夜も。“とん”が泣き叫んでいても…

しかし産後で体はまだ回復しきっておらず、夜中の授乳も頻回であったため、この「座ってトントン」の時間がしんどかった。

ーーママ横になってもいいかな?

「だめぇ!すわってとんとん!」
ーーわかったよ…ママも眠いよぉ…

そしてある晩、溜まっていたものが爆発してしまった。

「すわってとんとんっ!!!」
ーーうん…でもママすごく眠いんだ。もうたくさんトントンしたし、横になっていいかな?
「だめぇ!すわってとんとん!」

ーーああああああ、うるさい。
「あかちゃんうるさいっ!まま!とんとんしてっ!」
ーーなんでママじゃなきゃだめなの、パパだっていいじゃん。寝ながらトントンだっていいじゃん。わがままばっか言って、もう… 

「分かったよ! 座ってトントンすればいいんでしょ!」

ーー分かってる。こんなことしても、“うー”が寝ないこと。分かってる こんなことをしても 日頃頑張っている“うー”に、余計ストレスを与えてしまっていること…。分かってるのに…“うー”のこと大好きなのに…

眠気、疲れ、苛立ちでどうしようもなくなったわたしは、力が入ってしまう手を コントロールすることができなかった。

ーー座ってトントンしてるよ! これでいいんでしょ!?
「…うん…」

度々報道される虐待のニュースを見て、『かわいい我が子にありえない』『考えられない』。そう思っていた自分がまさかこんな事をしてしまう日が来るとは思ってもいなかった。