「真実を全部話した上で、一緒に伴走して欲しい」迎えられた子どもの気持ち

子どもの目線で考える真実告知とはどのようなものなのでしょうか?

特別養子縁組家庭で育った みそぎさん(仮名)(26):
自分が真実告知を受けたのは高校生の頃、父が怒ったタイミングがあって。そのときに怒った拍子についつい口を滑らせて言ってしまった。

2歳のときに特別養子縁組によって家庭に迎えられたみそぎさん。

――どういう出自だったのか知りたい?

みそぎさん(仮名):
当時は自分の生みの母のことを今どういうふうな生活してて、どういうことをしてる人なんだろうっていうのはちょっと知りたかった。喋りたいとか、そういうのはなかったんですけど、遠目に見て元気にしてんのかな、とか。そういうふうなのをちょっと知れればいいなぐらいの意味合いで。ただ、大学に入ってから、結構1人の時間が増えると悩むことも増えて精神的にしんどかった時期も結構あったんで。

1人で生い立ちを調べ、赤ちゃんの頃に置き去りにされ、乳児院で保護されていた事実にたどり着きました。

みそぎさん(仮名):
僕は乳児院でどういうふうに過ごしてたかとか、職員さんから何て呼ばれてたのかとか、そういうのを知るのもすごい嬉しかったんですね。でもそれって書類に残らないっていうのは本当に担当者ベースだったり、僕たち、特別養子縁組の子どもたちはある程度(生い立ちが)ブラックボックス化されてるっていう状態なので、情報は残せるんだったら何でもかんでも残してあげた方がいい。けど、それをするためには必要な支援がもっとたくさんあるんだろうなっていうのはすごい思います。

みそぎさん(仮名):
しんどくなったり、きつくなって子どもがふさぎ込んだときにどれだけそこを支えられるかが養親さんの役割。この子にどうやったら伝えずに済むだろうかとか、どうやったらこの子は傷つかないで済むだろうかは、そもそもそんなに重要じゃないと。子どものリアクションとかを見ながら夫婦で相談しながら、時には子どもに直接質問してみながら真実を全部話した上で、一緒に伴走して欲しいなっていうのを思いますね。